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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第37章 【第三十二話】闇に沈む江戸



だが、安堵に浸る間などなかった。

神田はティファを振り返ることなく、低く吐き捨てた。


「そいつに触るな」

ティキの口元が、ゆっくり歪む。


「怖いねぇ、大将」

その横から、ラビの鉄槌が叩き込まれる。

「そこぉ!!」

ティキは軽やかに跳躍して回避した。

だが、その回避先へ、白銀の光が走る。

ティファのレイピア。
鋭く、静かな刺突。

刃先が、ティキの頬を浅く裂いた。


血が散る。

一瞬だけ、ティキの笑みが止まった。


ティファは静かに構えを取る。

銀髪が、夜風に揺れた。


「……次は外さない」

その声音に、ティキがぞくりとしたように目を細める。


「ハ……」

口元が歪む。


「いいねぇ、お嬢さん」

ノアの瞳が、愉悦に染まる。


「そういう女、嫌いじゃない」

その時だった。


「ミランダ!!」

リナリーの悲鳴が響く。

タイムレコードが大きく揺らいだ。

ミランダが、その場へ崩れ落ちる。


「……っ、う……」
「ミランダ!」

リナリーがミランダの身体を支えようとする。

だが、その背後で、黒い闇がぬるりと揺れた。

ティキだった。

「三対一は、ちと厳しいか」
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