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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第37章 【第三十二話】闇に沈む江戸



次の瞬間、ティキが踏み込む。

拳。
人間離れした速度。

ティファもレイピアで迎え撃つ。

銀閃。

黒と白が、崩壊する屋根の上で激突した。

その最中、ティキがくつくつと笑う。


「でも、ちゃんと人を立たせるんだな。君の歌」

ティファの銀の瞳が細まる。

ティキは笑った。


「セトラってのは、人の心に触れるんだろ?」
「……っ」

ティファの喉元で、ニルヴァーナが強く脈打った。

ティキはそれを見逃さない。

瞬間。

ティキの身体が消えた。


「!!」

次には、ティファの眼前。

手が喉元へ伸びる。

速い。

避け切れ――


ガギィィィン!!

凄まじい火花が、視界を埋めた。


「……え」

目の前。

ティキの腕を止めていたのは、青白く光る六幻。

そして。


「……神田」

ティファの唇から、思わず名が零れた。

最後に見た時とは違う新しい団服。

迷いなく敵を斬る背中。

けれど、戦場の闇の中で六幻を構えるその姿は、以前よりもずっと鋭く見えた。


無事だった。

そう思った瞬間、胸の奥に詰めていた息が、ほんの少しだけほどける。
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