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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第37章 【第三十二話】闇に沈む江戸



「天針――ヘブンコンパス!!」

無数の針が、巨大な腕へ突き刺さる。

クロウリーも咆哮を上げながら跳躍した。


「おおおおおっ!!」

鋭い牙が、融合AKUMAの腕へ食い込む。

だが。


「……硬い!」

クロウリーの牙が、弾かれた。

ブックマンの針も、表面を抉るだけで深くまでは通らない。

巨大な腕は止まらない。

なおも街ごと押し潰すように振り下ろされていく。


「くそっ……下からじゃ効かねぇさ!」

ラビが歯を食いしばる。

ブックマンも険しい顔で目を細めた。


「頭上から中心を叩かねば、止まらんか……!」

その間に、ミランダが震える手で時計盤を掲げた。


「タイムレコード、発動……!」

時計盤が展開され、金色に光った。

リナリー。

チャオジー。

マオサ。

キエ。

戦えない者達を包み込むように、時間の領域が広がった。


飛来した瓦礫が、弾かれる。

けれど、その瞬間。

ミランダの身体が、大きく揺れた。


「……っ、はぁ……っ」

顔色は、すでに紙のように白い。

無理もなかった。

船に乗ってからずっと、彼女はタイムレコードを使い続けていた。

傷付いた船を繋ぎ止め、仲間を守り、失われるはずだった時間を、必死に引き延ばしてきた。
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