第37章 【第三十二話】闇に沈む江戸
「そんなに怒ること? もしかして、友達だった?」
ラビの手が、鉄槌の柄を軋むほど握り締める。
「うるせェェ!!!」
怒号と同時に、ラビが踏み込んだ。
けれどティキは、楽しそうに目を細める。
「そう怒んなって。あの少年、生きてるよ」
「……何?」
ラビの動きが、一瞬だけ止まった。
ティキはその隙を愉しむように笑う。
「もうじき来るかもしれない。会いたいなら、それまで生き残ってな」
その直後だった。
ズ ゥ ゥ ゥ ン――!!
巨大な影が動いた。
江戸城上空に浮かぶ融合AKUMA。
その腕が、街ごと押し潰すように振り下ろされる。
轟音。
建物が砕け、屋根瓦が雨のように降り注いだ。
あまりの大きさに、ラビの目が見開かれる。
その一瞬を、ティキは逃さなかった。
「よそ見してる場合じゃないだろ」
次にはもう、目の前。
「!!」
ティファが咄嗟に割って入る。
二振りのレイピアを交差させ、ティキの拳を受け止めた。
ギィィン!!
凄まじい衝撃が走る。
拳ひとつ。
それだけで、足元の屋根が大きく砕けた。
「はっや……!」
ラビが舌打ちする。
「クロちゃん! じじい!」
ラビの叫びと同時に、ブックマンとクロウリーが融合AKUMAへ飛び出した。