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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第37章 【第三十二話】闇に沈む江戸



その声に、ちょめ助が青ざめる。


「マジで戦り合うつもりだっちょか!? 勝ち目なんてないっちょ! 百パー死ぬっちょ!!」

「言うな、ちょめ助」

ラビは鉄槌を握り直した。


「伯爵がすげぇのは分かってる。けど、別に負け戦をする気はないさ」

クロウリーも牙を覗かせ、前へ出る。


「負けるかどうかなど、やってみなければ分からんわ!」

ラビは、無理やり口元を吊り上げた。


「そうそう。もしかしたら、すっげーボロ勝ちしちまうかもしれねぇだろ?」

軽口の形をしていた。

けれど、その目は少しも笑っていなかった。

次の瞬間。

ラビ、クロウリー、ティファが同時に伯爵へ向かって飛び出した。

だが、その進路を塞ぐように、ひとりの男が前へ出る。


ティキ・ミック。

退屈そうに肩を竦めながら、こちらを見下ろしていた。


「千年公、オレが行くよ」

その顔を見た瞬間。

ラビの表情が、はっきりと強張った。


脳裏を過ったのは、ティムキャンピーが映した記録。

血塗れのアレン。
砕かれたイノセンス。

白い光が途切れた瞬間。


「忘れねぇぞ、そのツラ……!」

ラビの声が低く震える。


「あの時、アレンを殺したノア……!」

ティキの口元が、ゆっくりと歪んだ。
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