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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第36章 【第三十一話】命を繋ぐ海



「良いのです」

静かな声だった。


「私達は皆、AKUMAに家族を奪われました。復讐の中でしか生きられなくなった人間です」

雨が、彼女の髪を濡らしていく。


「だからこそ、ここまで来られたことに後悔はありません」

マホジャも、アニタの隣で静かに頷く。


「江戸へ進むと、あなた方は言ってくださいました」

その声は低く、穏やかだった。


「我らが作った道を引き返さないと。そう言ってくださった」

マホジャの瞳が、僅かに細められる。


「それで十分です」

その時だった。

船内の拡声器が、ざり、と音を立てた。

次の瞬間。

船員達の声が、雨の甲板へ溢れ出す。


『勝ってください、エクソシスト様!!』

誰かが叫んだ。

その声に、全員が顔を上げる。


『ティファさん!!』

ティファは思わず拡声器を見た。


『あんたの歌、忘れません!!』

どくん。

胸が強く揺れる。


『怖くてたまらなかった時、あんたの声で立てたんだ!!』

別の船員が笑う声が混ざる。


『ラビ! 無茶しすぎなんだよ、お前は!』
『でも助かった! ありがとな!』
『リナリーちゃん、生きててよかった!!』
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