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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第36章 【第三十一話】命を繋ぐ海



だが、誰も否定しなかった。

ラビが息を吐く。

そして、いつもの調子を無理に引き戻すように、片目を細めた。


「リナリーに賛成ぇ」

軽い言い方だった。

けれど、その声の奥には揺るがないものがあった。


「オレら、もう十分ボロボロだけどさ」

ラビは鉄槌を肩へ担ぐ。


「でも、そこだけは曲げちゃイカンよな」

クロウリーも、静かに頷いた。


「吾輩も、同意である」

ミランダも両手を握り締めたまま頷いた。

ブックマンは何も言わなかった。

ただ、沈黙の中で全員の顔を見渡していた。


ティファはリナリーの手を握ったまま、顔を上げる。

怖くないはずがない。

この先に待っているものが、どれほど危険なのかも分かっている。


それでも。

退くという選択肢は、もう誰の中にも残っていなかった。


「行きましょう」

ティファは静かに言った。


「江戸へ」

その言葉に、リナリーが微かに笑った。



その後、船は再び進み始めた。

ただし、帆を受けて進んでいるのではない。

船尾に回った改造AKUMA――ちょめ助が、海面を蹴るようにして船を押していた。


「ちょだだだだだだだだだぁぁぁ――っ!!」

凄まじい勢いで海が割れる。

船体が軋み、波が左右へ弾け飛んだ。


「うおおおおっ!?」

ラビが窓枠にしがみつきながら叫ぶ。

「速ぇぇさー! すっげぇなAKUMA!」
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