• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第35章 【第三十話】紅い雪の降る海



避けきれない。


――その時だった。

「天針――ヘブンコンパス! 北ノ罪――ノースクライム!!」

無数の光針が、空気を裂いた。


ざしゅっ!!

レベル3の全身へ、針が突き刺さる。

巨大な身体が、一瞬、動きを止めた。


「じじい!」

ブックマンだった。

鋭い眼光で、AKUMAを睨んでいる。

全身へ突き刺さった針が、まるで拘束具のようにレベル3の動きを封じていた。

ラビが息を呑む。


「今だ、ラビ!」

ブックマンの声が飛ぶ。

ラビが反射的に鉄槌を構え直した。


けれど。

次の瞬間。

がぶり、と嫌な音が響いた。


「――っ!?」

全身へ針を受けたまま、レベル3の顎がブックマンの腕へ喰らいついた。

鮮血が散る。


「じじい!!」

ラビの叫びが甲板に響いた。

そのままレベル3はブックマンを掴み上げ、一気に空へ飛び上がる。


「っ、離せぇぇ!!」

ラビが鉄槌を伸ばした。


「伸!!」

巨大化した鉄槌が、上空へ向かって伸びる。

届く。

そう思った瞬間。

レベル3が、ブックマンの身体を乱暴に振り回した。


「タイトル――老人と月」

鈍い音。


「……っ!」

ブックマンの身体が、力なく宙を舞った。

そして。

落ちる。


「じじいぃ!!」

ラビが鉄槌に掴まりながら、空中でその身体を受け止めた。


「じじい! じじい!!」

血が、ラビの手に広がっていく。

その瞬間だった。


「ラビ!!」

鋭い声が響いた。

リナリーだった。

黒い団服の裾が翻る。
ダークブーツが、黒く輝いている。
/ 890ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp