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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第33章 【第二十八話後R18】灯籠の下、すべてを暴いて



ラビが小さく息を呑む。

けれど、急かすことはなかった。


「……大丈夫か?」


問い掛ける声に、ティファは熱くなった頬のまま小さく頷く。


「大丈夫……」


震える声で答えると、ラビはティファの手へ自分の手を重ねた。


「じゃあ、一緒に」


その声に導かれるように、ティファは押さえていた指を少しずつ緩めた。


衣の襟が、肩からゆっくり滑り落ちた。

夜色の布が、白い肌の上を音もなく離れていく。

長い袖が腕を伝い、黒紫の衣が布団の上へ静かに重なった。


灯籠の明かりの下へ、肌に残る傷跡が浮かび上がる。

薄く白く残ったもの。
まだ淡い赤みを帯びたもの。

団服の下で、ずっと誰にも見せずにいた痕だった。


ティファは反射的に腕で身体を隠そうとした。
けれど、ラビはその手を無理に退けなかった。

ただ、少し苦しそうに目を細める。

その目に浮かんだのは、嫌悪でも、驚きでもなかった。


痛みだった。

ティファがどれほど傷付いてきたのかを、初めて目の前へ突き付けられたような顔だった。


「……こんなに」


掠れた声が、静かに落ちた。

ラビの指が、触れていいのか迷うように宙で止まる。


「こんなに、傷付いてたんだな」


責める声ではなかった。
哀れむ声でもない。

ただ、気付けなかったことを悔やむみたいに、低く震えていた。


ティファは唇を結ぶ。


「……エクソシストだもの。傷が残るのは、当たり前だわ」
「だからって」


ラビの声が、僅かに掠れる。


「平気なわけじゃねぇだろ」


胸が、強く締め付けられた。


ラビは、しばらく動かなかった。


長い銀髪が、露わになった肩から胸元へ流れ落ちる。

灯籠の淡い光が、肌と、そこへ残る傷跡の上を静かに滑った。
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