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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第32章 【第二十八話】赤い紐の先


「ティファ?」

「八日前」

ティファは低く言った。

「その後、師匠を乗せた船が、海上で撃沈されたという報告があった」

空気が凍った。

リナリーが息を呑む。

クロウリーの顔から血の気が引く。

アレンは、言葉を失ったままティファを見つめていた。

「……師匠の船が……?」

掠れた声。

ティファは小さく頷く。

「でも」

ティファは、アレンの目を真っ直ぐ見た。

「私は、あの人がそう簡単に死ぬとは思っていない」

アレンの瞳が揺れる。

「……ティファ」

「師匠は生きている。だから、追いましょう」

その言葉に、アレンはしばらく何も言わなかった。

やがて、唇を引き結び、強く頷く。

「……はい」

声は震えていた。

けれど、その奥に火が戻っていた。

「師匠を、見つけます」

ラビが、静かに息を吐く。

「相変わらず、死んだって聞いても信じてもらえねぇ師匠だな」

軽く言ったつもりなのだろう。

けれど、その声にも、安堵に縋るような響きがあった。

ティファは続ける。

「明け方、アニタさんが船を出してくれる。江戸へ向かう船よ」

ブックマンの目が細くなる。

「海上の状況は」

「毒の海が広がっていて、AKUMAの気配も濃いそうよ。救援信号を受けて向かった船も見当たらなかった、と」

「予想通り、向こうも動いておるか」

ブックマンは短く息を吐いた。

「なら今夜のうちに情報を整理するぞ。休める者は休め。海へ出れば、次に眠れる保証はない」

ティファは、胸に残る不安を押し込めるように小さく頷いた。
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