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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第31章 【第二十七話】黒檀の簪


「エクソシストは」

ブックマンは続けて問うた。

答えを聞く間、誰も動けなかった。

やがて、ブックマンはゆっくりと目を伏せる。

「……六人か」

アレンの肩が、かすかに震えた。

ラビが一歩、通信機へ近づく。

「じじい」

低い声だった。

「ティエドール部隊は」

ブックマンは受話器を握ったまま、通信機の向こうへ問い直した。

「ティエドール部隊の状況は」

数秒。

ひどく長い数秒だった。

ティファの胸が、冷たく締めつけられる。

神田。

その名が、声になる前に喉の奥で止まった。

やがて、ブックマンは短く頷く。

「……神田ユウとノイズ・マリの生存は確認済みだな」

ティファの息が、僅かに止まった。

それから、ゆっくりと抜けていく。

無事。

神田は、生きている。

けれど、その安堵を覚えた瞬間、胸の奥に鋭い痛みが走った。

誰かが生きていることに安堵する一方で、誰かはもう戻らない。

その事実が、あまりにも重かった。

ブックマンは通信を終えると、静かに受話器を置いた。

「本部で死亡確認が出た」

低く沈んだ声。

「探索部隊を含め、百四十八名。その中に、エクソシストが六人おる」

リナリーが、震える手で口元を覆う。

ブックマンは、ひとつずつ名を告げた。

「ティエドール部隊、デイシャ・バリー」

その名を聞いた瞬間、リナリーの肩が大きく震えた。

「……デイシャ……?」

掠れた声だった。

「ソカロ部隊、カザーナ・リド。チャーカー・ラボン。クラウド部隊、ティナ・スパーク。グエン・フレール。ソル・ガレン」

六つの名が、重く沈んでいく。
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