• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第30章 【第二十六話】灯籠の湖


「本当に、何なのよ……」

「やれやれ。面倒なことになったのう」

ブックマンが深々と息を吐く。

「じじい、余計なこと言うなって」

「お前が一番面倒を増やしとるわい」

ラビが苦い顔をする。

神田はそんな二人を一瞥し、すぐに前を向いた。

「……置いてくぞ」

「あ、待って」

ティファの足音が、すぐ後ろから追ってくる。

少し遅れて、ラビの足音も重なった。

朝の回廊へ、三人分の靴音が響いていく。

神田は振り返らなかった。

ただ、すぐ後ろにいる銀髪の気配を、以前のように鬱陶しいだけだとは思えなかった。

過去を見られた。

痛みに触れられた。

それでも、あいつは離れなかった。

なら。

自分も、もう逃げるつもりはない。

たとえ、あいつの隣に既に別の男がいるとしても。

それでも、目を逸らす気はなかった。
/ 996ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp