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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第29章 【幕間】月影の楽園 後日談 ―帰る場所


私はますます顔を熱くしながら、ラビの髪をぐしゃぐしゃ掻き回す。

「もう知らない……!」

「知らなくねぇくせに」

くぐもった声が返る。

そのままラビが、ぎゅう、とさらに抱き締めてきた。

ソファが小さく軋む。

「ラビ、重い……」

「今は我慢して」

即答だった。

私は呆れ半分で小さく笑ってしまう。

甘える大型犬みたいで、少し可愛い。

私はそっと赤毛を撫でる。

指先へ、柔らかな髪が絡んだ。

ラビはしばらく黙ったまま、私へ額を押し付けていた。

まるで、昂った熱を必死に逃がしているみたいに。

けれど、そのうち少しずつ肩の力が抜けていく。

任務帰りの疲れが、今になって追いついてきたのかもしれない。

「……やべぇ」

ぽつり、と零れた声。

私は小さく首を傾げる。

「何が?」

「落ち着こうとしてたら、今度は眠くなってきた」

思わず小さく笑ってしまう。

「忙しいのね」

「ティファのせい」

くぐもった声が返る。

「寝れば?」

「ティファ、膝貸してくれんの?」

「大型犬みたいね」

「否定出来ん」

くぐもった声で、どこか諦めたように返ってくる。

そのままラビは、完全に力を抜いたみたいに私へ凭れ掛かってきた。

さっきまでの色っぽい空気とは違う。

安心し切ったみたいな重さ。

私は少し身体をずらし、ソファへ座り直す。

「ほら」

小さく促すと、ラビがちらりとこちらを見上げた。

翡翠色の瞳が、少しだけ細まる。

「……いいの?」

「聞いたのそっちでしょう」

するとラビが、小さく笑った。

それから遠慮なく、ごろん、と頭を私の膝へ乗せる。

赤毛がさらりと広がった。

私はその髪を、そっと指で梳く。
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