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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第29章 【幕間】月影の楽園 後日談 ―帰る場所


その瞬間。

ラビの肩が、びくりと揺れた。

「……ティファ」

掠れた声。

肩口へ顔を埋めたまま、ラビが小さく息を吐いた。

熱い吐息が、薄い服越しに伝わってくる。

くすぐったいのに、嫌じゃない。

むしろ、胸の奥がじわじわ熱くなる。

私は少し迷ったあと、安心させるみたいに彼の頭へ腕を回した。

けれど、その姿勢のまま抱き寄せてしまったせいで、ラビの吐息が服越しに伝わるほど近くなる。

その瞬間。

「っ……」

ラビの身体が、びくりと強張る。

私は小さく目を瞬かせる。

「……ラビ?」

返事がない。

ただ。

耳まで、じわじわ赤くなっていくのが見えた。

数秒の沈黙。

やがて、胸元へ顔を伏せたまま、ラビが掠れた声を漏らす。

「……待って」

「え?」

「今ちょっと、色々まずい」

どこか必死な声音だった。

私はきょとんとしたままラビを見る。

するとラビが、観念したみたいに額を押し付けてくる。

「……柔らか……」

ぼそ、と落ちた声。

数秒遅れて意味を理解した瞬間、顔が一気に熱くなった。

「ら、ラビ……!」

慌てて押し返そうとする。

けれどラビは離れない。

むしろ腕の力が少し強くなった。

「……好きな子の胸に埋まって平気な男なんていないさ」

掠れた声。

その瞬間、頭が真っ白になる。

「〜〜っ、エッチ!」

真っ赤になったまま、私はラビの肩を軽く叩いた。

するとラビが、胸元へ顔を埋めたまま肩を震わせる。

「ははっ……ごめ、無理、今のはほんと無理」

笑っているのに、声は少し掠れていた。
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