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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第29章 【幕間】月影の楽園 後日談 ―帰る場所


次の瞬間。

舌先が、ゆっくり唇の隙間を割って入り込んできた。

「……っ」

びくり、と肩が震える。

ラビの手が後頭部を支え、そのまま逃がさないように引き寄せた。

熱い。

舌が絡むたび、頭の奥がじわじわ痺れていく。

呼吸まで奪われそうなのに、離れてほしくない。

「ん、……ラビ……」

掠れた声が漏れる。

するとラビが、小さく喉を鳴らした。

「……ふっ」

低く笑う声まで熱い。

なのにキスは止まらない。

絡め取るみたいに深く口付けられ、私は無意識にラビの肩へ縋った。

ラビの指が銀髪を梳きながら、首筋をゆっくり撫でる。

ぞく、と背筋が震える。

長いキスのあと、ようやく唇が離れた。

細く繋がる呼吸が、熱い。

ラビは至近距離のまま、ぼんやりした私を見下ろしていた。

私は息を乱したまま、ラビを見上げる。

その瞬間。

「……っ」

ラビの喉が、小さく詰まった。

翡翠色の瞳が揺れる。

まるで何かを必死に堪えるみたいに、ラビは片手で目元を覆った。

深く息を吐く。

けれど、全然落ち着けていない。

「……ラビ?」

呼んだ瞬間。

ラビが、ぐい、と私の肩を引き寄せた。

そのまま、額ではなく。

顔を私の肩口へ埋める。

熱い吐息が、薄い服越しに伝わってくる。

「……ラビ?」

もう一度呼ぶと、肩口へ顔を伏せたまま、低く掠れた声が落ちた。

「……今、必死に我慢してんの」

どくり、と胸が跳ねる。

ラビの腕へ、さらに力が籠もった。

「だから……」

低い声。

「そんな顔で見んな」

困ったみたいに笑う気配。

けれど、その声は全然余裕なんてなくて。

私は熱くなった頬を隠すみたいに、そっとラビの髪へ指を通した。
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