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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第29章 【幕間】月影の楽園 後日談 ―帰る場所


やっぱり、と胸が痛くなる。

私が言葉を探していると、ラビの指が、私の銀髪をゆっくり梳いた。
 
「オレ、さ」

静かな声。

「ティファが誰かを放っとけねぇところ、好きなんだよ」

私は小さく目を瞬かせる。

「でも同時に、怖くもある」

低い声。

「お前、自分より他人優先し過ぎるから」

私は何も返せなかった。

ラシードでも。

神田を見て、放っておけなかった。

あの痛みを知ってしまったから。

ラビは少しだけ身体を離すと、今度は真正面から私を見た。

翡翠色の瞳。

いつもみたいに笑っていない。

「……ティファ」

呼ばれる。

その声だけで、胸が熱くなる。

「ちゃんと帰って来いよ」

静かな声だった。

「オレのところに」

私は息を呑む。

ラビは困ったみたいに笑う。

「ティファ失うの普通に嫌なんだよ」

その瞬間。

胸の奥が、ぎゅっと締め付けられた。

私はゆっくり手を伸ばし、ラビの頬へ触れる。

ラビが少しだけ目を見開く。

「……帰って来る」

静かな声。

「ちゃんと、ラビのところに」

数秒の沈黙。

やがてラビが、くしゃりと笑った。
 
「今ちょっと、格好つけてたのに。持ってかれたな」

ラビが笑う。

けれど、その瞳は少し熱っぽかった。

至近距離。

触れそうな呼吸。

ラビの指が、そっと私の頬を撫でる。

「……なぁ、キスしていい?」

今更確認するのが、ずるい。

私は小さく目を細める。

「いつも聞かないのに」

その瞬間。

ラビが堪え切れないみたいに笑った。

「確かに」
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