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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第29章 【幕間】月影の楽園 後日談 ―帰る場所


思わず目を瞬かせる。

ラビは小さく息を吐き、ソファの背へもたれ掛かった。

「任務から戻って、ずっと考え込んでただろ」

低い声。

「……ユウのこと?」

私は、答えに詰まった。

ラビの声音は軽い。

けれど、片方だけ覗く翠の瞳は、少しも笑っていなかった。

今日、食堂で私と神田が向かい合っていた時。

ラビは、何かに気付いたような目で神田を見ていた。

きっと、何も分かっていないわけではない。

けれど。

神田が誰にも言うなと告げたものを、私が口にすることは出来なかった。

私は小さくココアへ視線を落とす。

「……ごめんなさい。話せないの」

ラビは、しばらく何も言わなかった。

やがて、小さく息を吐く。

「……そっか」

責める響きはなかった。

むしろ、初めから分かっていたみたいな声だった。

「ユウが話してほしくねぇことなら、無理に聞かねぇよ」

私は小さく目を上げた。

「ラビ……」

「ただ、さ」

ラビは、困ったみたいに笑った。

「話せねぇくらい重いもん抱えて、ティファがずっと苦しそうにしてんのは……見てる方も、結構くる」

胸の奥が痛んだ。

「……放っておけないの」

ぽつり、と零れる。

ラビは数秒黙ったまま、私を見ていた。

やがて、小さく笑う。

「知ってる」

優しい声だった。

「ティファ、そういう子だからな」

その言葉に、胸の奥が少しだけ痛む。

「ラビ?」

呼ぶより先に、そっと抱き締められる。

温かい。

お風呂上がりの石鹸の匂い。

ラビが肩口へ額を預け、小さく息を吐いた。
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