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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第28章 【幕間】神田/月影の楽園 後編


次の瞬間。

神田が地面を蹴った。

轟音。

黒い団服が闇を裂く。

今までで、一番速い。

サフィアの瞳が、初めて大きく揺れた。

六幻が、一閃する。

水面ごと、闇が裂ける。

サフィアの胸元で、黒い核が露出した。

神田は躊躇わない。

「終わりだ」

低い声。

六幻が、真っ直ぐ振り下ろされる。

その瞬間だった。

サフィアが、泣くように笑った。

『……また、置いていくの?』

サフィアの周囲から、無数の黒い腕が一斉に伸びる。

神田を止めるように。

縋るように。

『いや』

『置いていかないで』

『ひとりにしないで』

私は息を吸った。

喉の奥で、『ニルヴァーナ』が強く脈打つ。

「神田!」

私の声に、神田が一瞬だけ目を向ける。

私は光のレイピアを両手で構え直した。

「道は開けるわ」

神田の瞳が、僅かに細められる。

次の瞬間。

私は床を蹴った。

白銀の光が、水路へ大きく弧を描く。

黒い腕を、一本。

二本。

次々と斬り払う。

「ニルヴァーナ――光槍!」

水面を突き破るように、白銀の槍が一斉に顕現した。

伸びていた黒い腕が、光に縫い止められる。

サフィアが、悲鳴のような声を上げた。

その一瞬。

神田が踏み込む。

「消えろ」

轟音。

六幻が、黒い腕ごと核を貫いた。

ぱきん、と。

何かが砕ける音がした。

静寂。
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