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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第28章 【幕間】神田/月影の楽園 後編


甲高い悲鳴。
黒い煙。
崩れる金属音。

最後の一体が、なおも砲口をこちらへ向ける。

だが、その前に。

横から六幻の一閃が走った。

AKUMAの身体が、真っ二つに裂ける。

轟音。

黒い残骸が、石畳へ散った。

私は荒く息を吐く。

神田は六幻を下ろし、こちらを一瞥した。

「……動けんじゃねぇか」

ぶっきらぼうな声。

私は呼吸を整えながら、小さく笑った。

「少なくとも、足手まといにはならないわ」

「……言うじゃねぇか」

低い声。

けれど、先程までの尖った響きは、ほんの僅かに薄れていた。

ナジームが、呆然としたように私達を見る。

「……助かりました」

「まだ終わってないわ」

私は地下へ続く暗闇を見た。

AKUMAの残骸の奥。

さらに深い場所から、あの歌声が聞こえている。

――置いていかないで。

甘く。

湿った闇へ溶ける声。

神田の表情が、再び険しくなる。

私は握ったレイピアの光を、静かに強めた。

それから、ナジームへ視線を向ける。

「ここから先は危険過ぎる。あなたは他のファインダーと合流して、住民の避難を優先して」

ナジームが息を呑む。

「ですが――」

「ここからは、エクソシストの仕事よ」

言い切る。

数秒の沈黙。

やがてナジームは、小さく拳を握り締めたあと、静かに頷いた。

「……ご武運を」

私は小さく頷き返した。

その時。

「行くぞ」

神田が低く言った。

六幻を肩へ担ぎながら、地下の暗闇を睨んでいる。

「遅れんな」

「ええ」

湿った冷気が、地下から吹き上がっていた。

私達は並んで、闇の中へ足を踏み入れた。
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