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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第24章 【第二十三話】恋人になった朝、揺れる剣


私が起き上がろうとすると、不意にタオルが飛んでくる。

「わっ……」

慌てて受け取る。

「……雑」

「さっさと拭け」

神田は木刀を肩へ担いだまま、壁際へ歩いていく。

私は苦笑しながら、額へ滲んだ汗を拭った。

「ありがと」

「別に」

いつものやり取り。

なのに、不思議と気楽だった。

神田とは、言葉を飾らずにいられる。
ぶつかって、言い返して、それでも気付けば近くにいる。

そんな距離が、心地よかった。

私はタオルを首へ掛け、小さく息を吐く。

その時だった。

鍛錬場の入口から、聞き慣れた声が響く。

「ティファー」

どくん、と胸が反射的に跳ねた。

振り返る。

そこには、片手を軽く上げたラビが立っていた。

いつもの軽い笑み。

けれど、視線が合った瞬間だけ、表情がふっと甘く緩んだ。

それだけで、心臓がうるさくなる。

「……ラビ」

無意識に、声が柔らかくなった。

自分でも分かるくらいに。

その時。

背後で、木刀の柄を握り直す小さな音がした。

振り返らなかった。

けれど、神田の気配が僅かに変わった気がした。

ラビは鍛錬場へ入ってくると、当然みたいに私の隣へ立つ。

近い。
腕が触れそうな距離。

その近さに、私は少しだけ頬が熱くなる。

ラビはそんな私を見て、喉の奥で小さく笑った。

「何、そんな警戒してんの」

「してないわよ」

「へぇ?」

全然信じていない声だった。
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