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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第24章 【第二十三話】恋人になった朝、揺れる剣


ラビは私の手元へ視線を落とし、それから右肩を見て僅かに眉を寄せる。

「……無茶してねぇだろうな」

「してないわ。今日は軽くだけ」

「本当かぁ?」

「神田にも同じこと言われた」

そう返すと、ラビが一瞬だけ神田へ視線を向けた。

「へぇ。ユウが?」

「誰がユウだ。殺すぞ」

「怖ぇ怖ぇ」

ラビは軽く笑いながら、首へ掛けていたタオルを取った。

そして、ぽん、と私の頭へ載せる。

「ほら。汗」

「自分で拭けるわよ」

額へ乗せられたタオルを取ろうとした、その瞬間。

ラビの指先が、ほんの一瞬だけ私の頬の横を掠めた。

「っ……」

びくり、と肩が揺れる。

たったそれだけ。
本当に、それだけなのに。

月光のチャペルで触れた唇。
耳元へ落ちた声。
抱き締められた腕の熱。

全部が、一気に蘇ってしまう。

私は反射的に視線を逸らした。

するとラビが、面白そうに翠の瞳を細める。

「……顔赤い」

「ラビのせいでしょ……!」

小声で抗議する。

ラビは楽しそうに笑った。

「何もしてねぇじゃん」

「今したでしょ」

「触れただけさ」

その言い方が余計にずるい。

私はますます顔が熱くなり、タオルで隠すように頬を拭った。

その時。

カタン、と乾いた音が床へ落ちた。

振り返る。

神田が、持っていた木刀を木製の台へ置いた音だった。

乱暴、と言うほどではない。
けれど、普段より僅かに強い音だった。
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