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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第24章 【第二十三話】恋人になった朝、揺れる剣


たまに、本当にたまにだけれど。

誰もいない廊下の角や、資料室の奥。

ふいに引き寄せられて、短く唇へ触れることもあった。

その度にラビは満足そうに笑うのに、私はいつまで経っても慣れなかった。

ラビ自身も、自覚はあるらしい。

ある日の午後。

資料室で任務記録を整理していた時だった。

棚の上段へ手を伸ばした私の横から、ラビがすっと目的の本を抜き取る。

「これ?」

「……ええ。ありがとう」

受け取ろうとした瞬間、ラビの指が私の銀髪へ触れた。

ゆっくりと、一房だけ掬い上げる。

「……ラビ?」

「いや……」

困ったみたいに笑いながら、彼は髪を離そうとしない。

「……やべぇな、オレ」

「何が?」

「お前見ると、つい触っちまう」

低い声。

そのまま、指先が銀髪をそっと梳く。

優しい感触に、胸の奥が甘く熱を持った。

私は思わず小さく笑う。

「ラビ、前より距離が近い」

するとラビが、一瞬だけ言葉に詰まった。

それから、ほんの少し視線を逸らす。

「……そりゃ、恋人になったし」

掠れた声。

いつもはあんなに余裕そうに私をからかうくせに、耳の端が微かに赤い。

その反応が可愛くて、今度は私の方が笑ってしまった。

「何笑ってんさ」

「別に」

「嘘だろ。絶対、オレのこと可愛いとか思った顔じゃん」

「……少しだけ」

「認めんのかよ」

ラビは少しだけ不満そうに眉を寄せた。

私は堪え切れず笑ってしまう。

けれど、次の瞬間。

彼の視線が私の右肩へ落ちる。
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