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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第24章 【第二十三話】恋人になった朝、揺れる剣


やがて、アレンは静かに顔を上げる。

「そうですか」

柔らかな声。

そして、少し困ったように笑った。

「……良かった」

「え……?」

「ティファ、ちゃんと笑えているから」

胸の奥が締め付けられる。

アレンは、きっと分かっている。

私が今、どれほど幸せなのか。

そして、その幸せが自分の隣ではなく、ラビの隣にあることも。

「アレン……」

何かを言わなければと思った。

けれど、何を言えばいいのか分からない。

ありがとうと言えば、残酷な気がした。
ごめんなさいと言えば、彼の優しさを踏みにじる気がした。

私が言葉を失っていると、アレンは小さく首を横へ振った。

「そんな顔しないでください」

「でも……」

「昨日、言ったでしょう?」

アレンは静かに笑う。

「ティファが自分で選んだなら、ちゃんと笑っていてほしいって」

優しい声。

けれど、その優しさの奥へ沈んだ痛みは、まだ消えていない。

当然だ。

昨日まで、私を好きでいてくれた人なのだから。

私は無意識に、指先を握り締めた。

「……アレンのことを、大切に思っているのは本当よ」

掠れた声で言う。

アレンの瞳が、僅かに揺れた。

けれど、すぐにいつもの穏やかな表情へ戻る。

「はい」

静かな返事。

「知っています」

その言葉が、ひどく優しかった。

優しいからこそ、痛かった。
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