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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第24章 【第二十三話】恋人になった朝、揺れる剣


すると、向かい側から小さな笑い声が聞こえる。

「ふふ」

リナリーだった。

紅茶を口元へ運びながら、にこにことこちらを見ている。

完全に気付いている顔だった。

私は一気に顔を赤くした。

「リ、リナリー……!」

「ううん、何でもない」

全然、何でもない顔ではなかった。

リナリーは嬉しそうに微笑む。

「ただ、よかったなって思っただけ」

その言葉に、胸が小さく跳ねた。

「……え?」

リナリーは答えず、ただ柔らかく笑った。

昨夜まで、あれほど迷っていた私を見ていたから。

今、隣でラビの手を振り払えずにいる私を見て、安心してくれているのだろう。

胸の奥が、少しだけ温かくなる。

その時だった。

「ティファ、顔が赤いが、熱でもあるのか?」

クロウリーが、パンを両手に持ったまま心配そうに身を乗り出してきた。

「えっ」

「まだ怪我も治っておらぬのである! 大変である! 医療班を――」

「だ、大丈夫よ! 熱じゃないから!」

慌てて遮る。

けれど、クロウリーはますます心配そうに眉を下げた。

「では、傷が痛むのであるか?」

「違うの。本当に大丈夫だから……!」

隣で、ラビが堪え切れずに吹き出した。

「っはは……クロちゃん、それ以上聞かねぇ方がいいさ」

「ぬ? 何故であるか?」

「クロウリーは知らなくていいの」

リナリーが笑顔で告げる。

「ぬぬ……?」

首を傾げるクロウリーを見て、食堂の空気が少しだけ和らいだ。
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