第10章 【第九話】空白の再会
「……アレンと、リナリーが?」
『場所は、“巻き戻しの街”と呼ばれていた地方都市だ。任務中、二人は正体不明の敵と接触し、重傷を負った。今は現地の病院へ運ばれている』
喉の奥が、強く詰まった。
「容態は……?」
『命に別状はない。けれど、アレンくんはまだ意識が安定していない。リナリーも治療が必要な状態なんだ』
指先から、熱が失われていく。
アレン。
ようやく本部へ来たと知ったのに。
何度もすれ違って、まだ一度も顔を見ることができていないのに。
やっと会えるかもしれないと思った時には、彼は傷付いて、病院で眠っている。
『ラビとブックマンは既に現地に向かっている。リナリーの治療にはブックマンが当たる予定だ。僕も、これから必要な器具を持って向かう』
ラビも、そこにいる。
その事実に、胸が別の痛み方をした。
書庫で聞いてしまった言葉。
翌朝、触れそうになって触れなかった袖。
私から距離を置くようになった、あの綺麗な笑顔。
それらが一瞬だけ脳裏を過ぎる。
けれど、今は考えている場合ではなかった。
「……その街へ、ここから向かえますか」
『ティファちゃん?』
「お願いします。私も行かせてください」
『待って。君も任務を終えたばかりだろう? まずは本部へ戻ってから――』
「私は、アレンに……まだ、一度も会えていないんです」