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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第8章 【第七話】肩を並べる約束


「……そういうこと、真っ直ぐ言うんだな」

「事実でしょ?」

「事実だけどさ」

彼は視線を逸らし、バンダナの端へ指をかける。

その仕草が、どうにも誤魔化しているように見えて、私は小さく首を傾げた。

「ラビ?」

「いや、何でもない」

軽く答えたあと、彼は少しだけ黙った。

廊下の先では、リナリーが医務室の扉を開けて私たちを急かしている。

それでもラビは、すぐには歩き出さなかった。

「……なぁ、ティファ」

「何?」

「喉がちゃんと治ったらさ」

彼は私を見ないまま、低く続けた。

「今度、歌…..聞かせてくれねぇ?」

胸の奥が、微かに揺れる。

「ニルヴァーナの歌を?」

尋ねると、ラビはすぐに首を横へ振った。

「違う」

その返事だけは、驚くほど迷いがなかった。

ラビは少しだけ困ったように笑った。

「ティファが、歌いたい歌」

私は、何も言えずに彼を見つめた。

私自身が歌うものを、聞きたいと言ってくれた。

そのことが、胸の奥へ静かに落ちていく。

「……ええ」

ようやく、声が出た。

「喉がきちんと戻ったら、聞かせるわ」

ラビがこちらを見る。

翠の瞳が、夕刻の光を映して柔らかく揺れた。

「約束だぞ?」

「ええ。約束」
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