第41章 【第三十六話】記録者の帰る場所
「……そんな、ノアの力は……破壊した、はずだ……っ」
引きずられながら、アレンが目を見開く。
「なんて力だ……っ。スピードも、さっきまでと全然違う……!」
凄まじい一撃が、アレンを弾き飛ばした。
「アレン!」
ラビは鉄槌を伸ばし、下層へ降りた。
弾き飛ばされたアレンの傍らへ着地し、変わり果てたティキを見上げる。
「……ティキ・ミックさ……? その格好は、何の冗談だ……?」
答えは、返らない。
「ラビ……扉が……」
アレンの声に、はっと振り返る。
出口の扉があったはずの場所には、砕けた瓦礫があるだけ。
暴走したティキが、既に破壊し尽くしていた。
「ひはははははは……!」
歪んだ笑い声が、崩れゆく塔へ響く。
触手が、再び襲いかかった。
(――やべェ!)
考えるより先に、身体が動いていた。
「大槌小槌――伸!」
鉄槌が、ラビをリナリーとチャオジーが待つ上層へ引き上げる。
「二人とも、オレに掴まれ……!」
そこまで叫んで、ラビは凍りついた。
背後に、いた。
いつの間に。
振り向くより早く、ティキの攻撃が降ってくる。
「――っ!」
咄嗟に鉄槌を盾にする。
轟音。
受け止めた鉄槌の柄に、亀裂が走った。
「くそ……っ、直火判……!」
炎を纏わせる。
けれど、ティキの方が速かった。