第1章 出逢い
翌日
寺院の門の前で、住職と僧たちが華楠の見送りに出ていた。
「みなさん!お世話になりました。住職にも…本当に…このご恩は忘れません。どうかみなさんお元気で…!!」
頭を下げる華楠に、僧たちは声をかける
「元気でな!」
「無理すんなよ!」
華楠はジープの後部座席に乗り込む
「良いですか?出ますよ?」
八戒が声をかけジープのアクセルを踏んだ
「みんなーー!!ありがとうーーー!」
華楠は寺院が見えなくなるまで手を振り続けた
「ふぅ…」
手を振り終えると、前に向き直し息を吐く
そしておもむろに黒髪のウィッグをはずして外に投げ捨てた
「っあーーーー!!!
開!放!感!!!!」
紅色の髪を手でわしゃわしゃとほぐしながら華楠は叫ぶ
「寺院ではずっとウィッグを?」
八戒が運転しながら問いかけた
「そ!あの寺院で私が忌み子だって知ってるのは住職と光明さまだけ。」
「目はカラコン入れてれば良いけど、ウィッグは蒸れるし痒いし本当面倒だったんだ!でももういらない!」
そういう華楠を横目に
「んでも良いのか?今後変な目で見られねェ?」
と悟浄が心配そうに言った
「え?なんで???
ぜーんぜん気になんない♪
それにさ、やっと本当の私の姿でいられるんだよ!こんな気楽なことないじゃん!
悟浄は違うの???」
「っ……ハハッッ!!!」
それを聞いて悟浄は吹き出し笑った
「ま、気にしねーってんなら良いか」
悟浄は腕を頭の後ろで組み、空を見上げる
(俺が知ってる女ってのはさ
なんていうか
じっとり湿度が高いもんだった
だけどなんだ、こいつは。
俺が知ってる女とは違う)
「まぶしーな」
声が出てしまった。
「そんな真上向いてたらそりゃーまぶしーでしょーよ!」
隣に座る華楠が笑いながら言う
(眩しいのは太陽じゃなくて………)
そこまで思ってヤメた。
ジープは新しい仲間を乗せて西へと走っていく