第1章 出逢い
「さすが三蔵法師様」
住職は華楠の方へ向き直し、ボソボソと何かを告げる
と、華楠はポニーテールに結った綺麗な黒髪をほどきズルッとめくり剥がした
「!!!!!」
「ウィッグです。本当の私の髪は…」
「なぁ…八戒…あれ悟浄と…」
悟空がそう言いながら悟浄の方を見る
華楠の髪は肩の高さで綺麗に切り揃えられていたが、4人の目を惹いたのはその紅色
「まぁ説明しなくてもこの容姿を見ていただければ華楠がどういう子か、三蔵法師さまたちの方がお詳しいじゃろう」
住職もそう言いながらチラッと悟浄を横目に見る。
「華楠は捨て子でな。赤子の時に川に流されている所を、たまたまこの寺院に滞在中であった三蔵法師さまに助けられての
三蔵さまはここを発ってからも、時折華楠の様子を見に来たりと何かと気にかけて下さったんじゃ」
「しかしいつからかパッタリと姿を見せなくなってしまってのぉ。聞いたところによると、暴走した妖怪に襲われた弟子を身を挺して庇ってお亡くなりになったと…」
住職は俯きながら話す
「その時、経文がひとつ妖怪に奪われたと聞きました。
光明さま、いえ光明三蔵さまは、常々私に言っていたんです
〃私は2つの経文を任されているけれどもね、ふたつもあると重くて仕方ないんです。
なので華楠、あなたが立派になったらこの経文を一つもらってくれませんか〃」
「なん…だと…?」
静かに聞いていた三蔵だったが流石に声が出てしまった。
(お師匠が???
まさか…いや…でも…
言いそうだな…)
そう思い考えていた三蔵に住職は声をかける
「あなたがその光明さまのお弟子さんですな?玄奘三蔵法師さま?」
「!!?」
悟空と悟浄がバッと三蔵の方を見る
(なァ今の三蔵の話だったの!?)
(ヤッベェめっちゃ他人事だと思って聞いてた)
2人はこそこそと言い合っている
「私は光明さまの仇を討ちたい。そして私の聖天経文を取り返す」
「そんなわけでの、玄奘三蔵法師さま。
この華楠を一緒に連れて行ってやってくれんかね。目的は同じであろう」