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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第15章 体育祭



借り物競争は、もはや“競技”というより“人間関係解放イベント”になっていた。

お題の紙を握った生徒たちが、次々と一点に向かう。 

ユカリの元へ。

「すみません!お題が“優しい人”で!」

「“明るい人”なんですけど!」 

「“一緒にいて安心する人”で……!」 

「またか!!」

誰かが叫ぶ前に、もう次の生徒が走っている。

ユカリは苦笑しながらも、断らない。

「いいよ、一緒に行こっか」 

「はい……すみません……!」

こうして半ば“連行”のようにグラウンドを横断する。

実況席も笑いを堪えられない。

「ユカリ選手、借りられすぎです!!」

「これもう競技じゃなくて人気投票では!?」

グラウンドは大爆笑の渦。

だがその裏で、空気は少しずつ変わっていく。

1年生サイド。

爆豪の眉が、じわじわと寄っていく。

「……は?」

また連れて行かれる。 

また戻ってくる。

また呼ばれる。

「チッ……次から次へと」

隣の轟焦凍も静かだが、視線は動かない。

「頻度が高いな」

「そこじゃねェ!」

爆豪が即答する。

だが理由は同じ方向にある。

(近すぎる)

(呼ばれすぎだ)

そして何より――

“普段は誰も近づかない距離”が、競技ルール一つで一気に崩れていること。

切島が横から焦る。

「おい、なんか空気やばくね?」

上鳴が冷や汗。

「いやこれ嫉妬の進化形じゃん……」

出久が必死に止める。

「ふ、二人とも落ち着いて!?あくまで競技だからね!?」

だが、二人とも全く聞こえていない。

***

その頃、グラウンド中央。

また別のお題。

「“頼れる人”!」

「ユカリ先輩お願いします!」

「“優勝経験者”!」

「またユカリ先輩!!」

ユカリは軽く息を吐く。

「私、今日ずっと走ってるなぁ……」

苦笑しながらも一緒に走り続ける。

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