第45章 誕生日
その中で、カメラを担当する八百万が取り出したのは――まさかの本格的な一眼レフだった。
「……た、高そうなカメラだ……」
環が、思わずぽつりと呟く。
「せっかくのユカリ先輩のお誕生日ですもの……!綺麗に残しておいたほうがいいと思いまして……!」
いつもより少しだけ熱のこもった八百万の声。
「さすが八百万……」
A組から感心の声が上がる。
八百万は一眼レフを両手で構えながら、ユカリへ視線を向けた。
「では、皆さん。最高の一枚を撮りましょう!」
「おおー!」
八百万の言葉に、あちこちから声が上がった。
「はい、じゃあユカリはここ!」
ミリオがユカリをみんなの中央へ連れていく。
「え?」
「主役だからね!」
促されるまま中央に立ったユカリは、集まってくるみんなを見渡して、少し照れたように笑った。
ミリオがふと周囲を見渡す。
そして――少し離れた場所に立っている爆豪を見つけた。
「ほらほら、爆豪くんはここ!ユカリの隣!」
ミリオが手招きする。
爆豪は一瞬だけ眉を寄せた。
あからさまに面倒そうに舌打ちしながらも、渋々みんなのところへやって来る。
その姿を見ていたユカリは、思わず笑った。
「……何笑ってんだ」
「笑ってないよ?」
くすくすと笑うユカリ。
爆豪はじっとその顔を見つめると、片手を伸ばして、その頬をむに、と掴んだ。
「笑ってんだろ」
「笑ってないってば」
頬を掴まれたまま、ユカリがまた小さく笑う。
「……テメェ」
「ふふっ」
そんな二人を目の前にして、峰田の肩がわなわなと震え始めた。