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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第11章 合宿



翌朝の食堂。

合宿最終日に向けて、朝から生徒たちは騒がしかった。

味噌汁の湯気、パンの匂い、眠気混じりの声。

その中で――

「……なんか今日のあの二人、違くね?」

誰かがそう言った。

視線の先にいるのは。

爆豪と轟。

いつも通りの顔のはずなのに、どこか違う。

爆豪は妙に静かで、余計な怒鳴り声がない。

轟も、いつもより視線が真っ直ぐで落ち着いている。

「なんかさ……落ち着いてない?」

切島が首をかしげる。

「いや逆だろ、落ち着きすぎじゃね?」

上鳴が小声で言う。

「悟ってる系の顔してる」

原因を知らないA組はざわつくばかりだ。

だが当の二人は――

全く同じ方向を見ていた。

ユカリ。

その時、出久が口を開く。

「あ、あの、かっちゃん、轟くん」

思い切って聞いてみる。

「ユカリ先輩と何かあった?」

その瞬間。

爆豪が箸を止める。

轟も味噌汁を飲む手を止める。

一秒遅れて。

同時に言った。

「別に」

空気が一致しすぎている。

「いや絶対何かあっただろ!!」

上鳴が叫ぶ。

だが爆豪は何も答えず、ただ静かにパンを噛む。

轟も同じく黙っている。

しかし――

どちらも昨日までと違う。

焦りが消えている。

迷いが減っている。

“もう一歩踏み込んだ人間の目”だった。

ユカリはその視線に気づいてしまい、スープを飲む手が少し止まる。

(……なんか、見られてる気がする)

出久は小さく呟いた。

「……昨日より、二人とも覚悟決めた顔してる」

「何の覚悟だよ!!」

切島が即ツッコミ。

だがその言葉は、あながち間違いじゃなかった。

爆豪はちらりとユカリを見る。

轟も同じタイミングで見る。

目が合う前に、両方そらす。

でも確実に。

昨日までとは違う距離の詰め方を、二人とも理解していた。

ねじれは隣でニコニコしている。

「青春って感じだねぇ〜!」

ユカリは思う。

(絶対、私だけ温度違う……)

そして朝食は、妙に落ち着かないまま進んでいった。

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