第11章 合宿
模擬戦・最終ブロック。
「ユカリ・爆豪 VS ミリオ・天喰」
ミリオの瞬間移動と、環の変形攻撃が容赦なく襲ってくる。
開始早々から、戦場は完全に“実戦レベル”だった。
「先輩、下がれ!」
爆豪が叫ぶ。
ユカリが一歩引いた瞬間、ミリオが背後に現れる。
「そこだよね!」
「っ!」
爆風。
爆豪の大技が炸裂した。
ドォン!!
視界が一瞬で白く飛ぶ。
煙と衝撃で地形が崩れ、木々が吹き飛ぶ。
その混乱の中、爆豪はユカリの腕を引いた。
「こっちだ!」
爆煙の裏、岩陰へ素早く退避する。
外ではまだミリオと環が動いている気配がある。
だが、ここは一瞬の静寂。
ユカリは息を整えながら言った。
「すごい爆発だね……」
「チッ、あいつら動きすぎなんだよ」
爆豪は周囲を警戒しつつ、視線だけは鋭いままだ。
沈黙が少し落ち着いたところで、爆豪がぽつりと漏らす。
「……なァ」
そして、低く聞く。
「半分野郎と付き合ってんのか」
「……え!?」
顔を赤くするユカリ。だが、すぐに否定する。
「ち、違うよ!?」
その返事を聞いた瞬間。
爆豪は舌打ちした。
「……そうかよ」
そして立ち上がる。
外ではまだ戦闘音が続いている。
ミリオの声、環の気配。
その中で爆豪は、静かに言った。
「じゃあいい」
一歩、前へ出る。
「試合後、覚えとけ」
「え?」
振り返らないまま。
爆豪は爆風をまといながら戦場へ戻る。
「俺が勝つ」
その一言だけ残して。
再び戦闘が始まった。
外ではミリオが笑いながら現れる。
「いやぁ〜青春だねぇ!今の会話全部聞こえてたよ!」
環は少し疲れた顔でため息をつく。
「……集中させてくれ」
そして戦場は、さらに加速していった。
だがその中心にはもう一つの熱があった。
“勝つ理由が、ただの勝利じゃなくなった戦い”。
爆豪はそのまま、爆発の中へ飛び込んだ。