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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第11章 合宿



模擬訓練終了後。

突破した者が次々と帰ってくる。

ロッジに少しずつ賑わいが戻る。

ユカリは珍しく、少しだけ様子がおかしかった。

「………」

いつもなら誰かに声をかけるのに、今日はやけに静かで、視線も落ち着かない。

爆豪はすぐ気づいた。

(……なんだあれ)

遠くから見ていても分かる違和感。

声をかけようとして――やめる。

理由は単純だ。

“何かあった顔”をしているから。

そしてもう一人。

轟焦凍。

こちらはいつも通り静かだが、逆にそれが不自然だった。

爆豪は舌打ちした。

「チッ……」

そして足を向けたのは轟の方だった。

「おい」

轟は振り返る。

爆豪は単刀直入だった。

「先輩に何した」

轟は一瞬だけ黙る。

そして、隠す気もなく言った。

「……キスした」

「……は?」

一秒の間。

爆豪の思考が止まる。

「……あ?」

轟は視線を逸らさない。

「今日の模擬訓練。ユカリ先輩にキスした」

「……!」

爆豪の眉が跳ね上がる。

「抑えられなかった」

その一言で、爆豪の表情が完全に固まる。

「……クソが」

短く吐き捨てる。

だが次の瞬間――

「準備しろ、昨日の模擬戦の続きをやる」

相澤の声。

「ペアはユカリと爆豪、そして通形と天喰だ」

一瞬。

訓練場が止まった。

「は?」

爆豪。

「え?」

周囲。

そして。 

ユカリ。

「……え!?」

隣で轟が静かに言う。

「運がいいな、お前」

「殺すぞ」

爆豪の声が一段と低くなる。

だが目は違う意味で燃えていた。

――ユカリと、二人きりの試合。

それはつまり。

さっき轟がやったことを、自分も“やれる側”だということだ。

爆豪の口元が少し歪む。

「……上等だ」

その視線の先で、ユカリはまだ混乱していた。

(キスの後で爆豪くんと試合って何!?)


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