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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第11章 合宿




視線が外せない。

「……俺だけを見てほしい」

沈黙。

轟が小さく息を吐く。

理性の歯止めが、もうほとんど効いていなかった。

「ユカリ先輩」

「っ……」

名前を呼ばれて、さらに顔が近づく。

あと少しで唇が触れそうな距離。

「好きです」

ユカリの心臓が大きく跳ねる。

「……ずっと」

轟の声が低くなる。


「ずっと先輩が、好きだ」


その言葉と同時に。

轟はもう一歩だけ踏み込んだ。

そして――

短く、迷いなく。

唇が触れた。 

一瞬。

でも確かに。 

すぐに離れる、軽いキス。

時間が止まる。

風の音だけが戻ってくる。

轟は少しだけ目を伏せた。

「……すみません」

でも謝罪の声は弱くて。

後悔というより、抑えきれなかった感情の余韻だった。

「……もう、こういう距離だと」

小さく息を吐く。

「理性、持たないです」

ユカリは固まったまま、顔が真っ赤になっている。

返事もできない。

ただ、胸だけがうるさい。

轟は視線をそらさず、静かに続けた。 

「……早く、俺のもんになればいいのに、って思いました」

その言葉は強いのに、どこか不器用で。

独占欲というより、真っすぐすぎる願いだった。

ユカリはようやく、小さく息を吸う。

でも言葉は出ない。

ただ、轟の手の温度だけが、やけにリアルに残っていた。 

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