第9章 学園祭
夜。
雄英学園祭、メインイベント。
――カップルコンテスト。
ステージ周辺は、昼以上の盛り上がりを見せていた。
「やば、観客多……」
控室でユカリは青ざめていた。
結局。
押し切られた。
しかも。
「なんで私、二回出ることになったの……!?」
そう。
ユカリは、
爆豪勝己ペア
轟焦凍ペア
両方で出場する羽目になっていた。
意味が分からない。
運営側は大盛り上がりだったらしい。
“話題性がすごいので特例”
とのこと。
「特例って何……」
ユカリは頭を抱えた。
しかも今。
猫カフェ衣装とは別で、コンテスト用のドレス姿。
淡い色の綺麗なドレスに、髪も少し巻かれている。
普段よりずっと大人っぽい。
「ユカリほんっと綺麗〜!!」
ねじれが大興奮している。
「お姫様みたい!」
「やめてぇぇ……」
ユカリは顔を覆った。
緊張で心臓が壊れそうだった。
だって相手。
爆豪と轟だ。
しかもステージ。
観客大量。
無理。
「逃げたい……」
ソファへ沈み込むユカリ。
するとミリオが笑いながら近づいてきた。
「大丈夫大丈夫!」
「全然大丈夫じゃないよ……」
「でも二人絶対喜ぶよ!!」
「それが問題なの!」
真っ赤。
すると、隅にいた環がぼそっと呟く。
「……多分二人、今もっと緊張してる」
「え?」
「ユカリ綺麗だから」
「環まで!?」
さらにダメージ。
ねじれは楽しそうにユカリの肩を揺らした。
「絶対二人固まるって!」
「もう既に想像できる……」
ユカリが頭を抱える。
その時。
コンコン。
控室のドアがノックされた。
「はいはーい!」
ねじれがドアを開ける。
そして。
「おぉ〜」
「来た来た」
そこに立っていたのは、正装姿の爆豪と轟だった。
空気停止。
まず爆豪。
黒を基調にしたスーツ。
髪も少し整えていて、普段より大人っぽい。
鋭い顔立ちがさらに映える。
そして轟。
シンプルなフォーマル姿なのに、モデルみたいに似合っている。
控室女子、ざわつく。
「顔が良……」
「強い……」