第9章 学園祭
その時。
物間が面白くなさそうに鼻を鳴らした。
「でも結局どっち選ぶんだろうねぇ?」
静かになる周囲。
確かに。
爆豪も轟も本気。
ユカリも、明らかに二人を意識している。
「確かに難しそうだよねー」
芦戸三奈もぽつり。
「爆豪といる時と、轟といる時でユカリ先輩ちょっと違うもん」
「分かる!」
「どっちも特別そう!」
その時。
当のユカリが、爆豪と轟に挟まれながら飲み物を運んでいた。
「だから一人で持てるって!」
「危ねェ」
「俺持ちます」
「二人とも過保護すぎる!!」
店内、また爆笑。
すると切島がぽつり。
「でもさ」
「?」
「爆豪、あんな顔するんだな」
少し驚いたような声。
皆、そっと爆豪を見る。
ユカリを見る時だけ。
あの爆豪勝己が、驚くほど優しい目をする。
轟も同じだった。
静かだけど。
真っ直ぐで。
隠す気がない。
それを見た出久が、小さく笑った。
「二人とも、本当にユカリ先輩のこと好きなんだよ」
その言葉に。
周囲が少し静かになる。
そして次の瞬間。
「わっ!?」
ユカリが少しバランスを崩いた。
すると。
「危ねぇ!」
「ユカリ先輩!」
爆豪と轟が同時に支える。
距離ゼロ。
顔近い。
ユカリ、真っ赤。
A組B組。
「「「うわぁぁぁぁぁ!!!」」」
今日の猫カフェは、終始大騒ぎだった。