第8章 学園祭・前日談
その時。
廊下から女子の歓声が聞こえた。
「きゃー!!」
「ユカリ先輩だ!」
教室中が反応する。
B組の窓から見えたのは、廊下を歩くユカリ。
その隣には――
爆豪と轟。
しかも二人とも自然にユカリの近くを陣取っている。
「うわぁ……」
鉄哲が思わず呟く。
爆豪が何か言う。
ユカリが笑う。
その瞬間。
轟の表情が柔らかくなる。
「…………」
B組全員、沈黙。
そして数秒後。
「……あれは強い」
「勝てねぇ」
「ていうかもう周囲入れなくない?」
拳藤が苦笑した。
「完全に恋愛漫画の空気じゃん」
すると物間が悔しそうに窓を睨む。
「くっ……A組め……!!」
でも誰よりも思っていた。
――あの二人、本気だ。
そしてユカリ先輩も、多分もうかなり絆され始めてる。