第8章 学園祭・前日談
1年A組。
教室は異様な盛り上がりを見せていた。
原因はもちろん――
「おい聞いたか!?学園祭のカップルコンテスト!!」
「聞いた聞いた!」
「しかも爆豪と轟、ユカリ先輩誘ってるらしいぞ!」
その瞬間。
教室後方で椅子から転げ落ちる音がした。
「はぁぁぁぁぁぁ!?!?」
絶叫。
もちろん峰田実である。
「なんでだよぉぉぉ!!なんでイケメン二人に取り合われてんだよぉぉぉ!!」
「うるせぇ」
耳を塞ぐ上鳴 。
だが峰田は止まらない。
「しかも相手がユカリ先輩とか!!美人で優しくてスタイル良くて大人っぽくてしかも笑顔かわいいとか最強じゃん!!」
「お前よく生きてんな」
切島が引き気味に言う。
その時。
ガラッ。
教室のドアが開いた。
「テメェらうるせェぞ」
現れたのは、爆豪。
一瞬で静かになる教室。
だが峰田だけは違った。
「爆豪ォォォ!!お前ユカリ先輩とカップルコンテスト出る気なのかァァ!?」
沈黙。
数秒。
爆豪が眉を寄せる。
「……悪ィか」
「認めたァァァ!!」
教室大爆発。
「マジで!?」
「本気じゃん!!」
「うわぁ……」
すると爆豪は舌打ちしながら席に座った。
「まだ出るって決まったわけじゃねェ」
「でも誘ったんだ!?」
「うるせェ」
耳が少し赤い。
クラス全員、察する。
(ガチだ)
その時。
「俺も誘ってる」
さらに爆弾投下。
教室入口には轟焦凍 。
しかも真顔。
「うわ来た!!」
上鳴が笑いながら叫ぶ。
峰田は膝から崩れ落ちた。
「終わった……勝てる要素ゼロ……」
「お前最初から参加資格ねぇだろ」
冷静なツッコミを入れる瀬呂範太。
だが教室は完全に恋バナモードだった。
「でもどっちがユカリ先輩と並んでも絵になるよな〜」
「分かる!」
「爆豪は“強気カップル感”ある!」
「轟は王子様感やばい!」
「どっちも優勝候補すぎるだろ」
その瞬間。
爆豪と轟の空気がピリつく。
「……負けねェ」
「ああ、俺もだ」
火花。
また始まった。