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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第24章 演劇祭 after story





――ああ。

そして爆豪は思う。

やっぱりこの顔が好きなんだ、と。

心底。

どうしようもなく。

爆豪は小さく鼻を鳴らした。

「……バァカ」

呆れたような声。

でも。

どこか優しかった。

そして。

帰るはずだった足が止まる。

ユカリの方へ戻る。

ユカリはきょとんとした。

「え?」

爆豪は何も答えない。

ポケットに両手を突っ込んだまま。

少しだけ頭を下げる。

距離が近づく。

ユカリが息を呑む。

何をされるのか理解するより早く。

爆豪はそっと唇を重ねた。

触れるだけのキス。

けれど。

ユカリの思考を止めるには十分だった。

爆豪が離れる。

ユカリは完全に固まっていた。

顔がみるみる赤くなる。

耳まで真っ赤だ。

爆豪はそれを見て少しだけ満足そうに目を細めた。

そして。

今度こそ後ろへ下がる。

「おやすみ」

それだけ告げる。

ユカリは声が出ない。

「え、あ……」

言葉にならない。

爆豪は振り返らない。

そのまま歩き出す。

夜の道を。

1年生寮の方へ。

ユカリはその背中を見送ることしかできなかった。

胸がうるさい。

心臓が信じられないほど速い。

さっきまで轟のことを考えていたはずなのに。

今はもう。

頭の中が真っ白だった。

やがて爆豪の姿が見えなくなる。

静かな夜。

一人残されたユカリは。

真っ赤な顔のまま唇にそっと触れた。

そして。

「……もう」

誰に聞かせるでもなく呟く。

困ったように。

でも少しだけ嬉しそうに笑いながら。

「ほんとにずるいよ……」

夜空には星が瞬いていた。

演劇祭の一日は終わった。

けれど。

ユカリの答えを探す時間は。

ここから本当の意味で始まろうとしていた。


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