第24章 演劇祭 after story
その時。
玄関の扉が開く音して三人が振り返る。
そこには顔を真っ赤にしたユカリ。
固まるミリオ。
固まるねじれ。
環だけ通常運転。
ユカリは一歩入る。
二歩入る。
そして。
リビングにいる三人を見る。
沈黙。
ねじれが笑顔で手を振る。
「おかえり〜!」
ミリオもにっこりで出迎える。
「おかえり!」
「…………」
ユカリは察した。
全部見られた。
絶対見られた。
ユカリはさらに赤くなる。
恥ずかしすぎる。
逃げてしまいたい。
環はゆっくりと本を閉じる。
そして静かに言った。
「大丈夫」
「?」
ユカリが見ると、環は真顔で言った。
「今ならまだ国外逃亡が間に合う」
「環!?」
ねじれが爆笑する。
ミリオも笑いを耐えられない。
ユカリは顔を覆った。
「もうやだ……」
声にならない。
耳まで真っ赤。
そんなユカリを見て、環は少しだけ口元を緩めた。
演劇祭。
そして今夜。
きっと誰よりも大変なのは。
ユカリ本人なのだろうと思いながら。