• テキストサイズ

【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第7章 彼氏予想大会 / 熱



***

カーテン越しに、午後の柔らかな光が差し込んでいる。

薬が効いたのか、ユカリはすっかり眠っていた。

静かな寝息。

少し赤い頬。

毛布に半分埋もれた顔。

そして時々、小さく身じろぎするたびに揺れる髪。

「…………」

ベッド横に座る爆豪と轟は、完全に無言だった。

なぜなら。

かわいすぎた。

「……寝顔可愛すぎんだろ」

先に呟いたのは爆豪だった。

声が小さい。

普段では考えられないくらい小さい。

轟も静かに頷く。

「分かる」

「顔ちっせェし」

「睫毛長い」

「肌白……」

「髪触りたい」

「触んな」

二人とも重症だった。

しかも。

さっき熱でぼんやりしたユカリが言った言葉が、頭から離れない。

――『二人とも距離近いし優しいし心臓うるさい……』

轟はじっと眠るユカリを見つめながら、ぽつり。

「先輩、俺たちのこと意識してるよな」

「……ああ」

「嬉しい」

「……俺も」

素直か。

しかもユカリは寝ているから、二人とも若干気が緩んでいた。

「……先輩寝顔無防備すぎんだろ」

爆豪が眉を寄せる。

「他の奴に見せたくねェ」

「分かる」

轟も真顔で同意。

「連れて帰りたい」

「殺すぞ」

危険発言だった。

すると。

「お前ら」

低い声。

二人同時に振り返る。

カーテンの向こうに立っていたのは、担任の相澤。

目が死んでいる。

「あ」

空気終了。

相澤は眠っているユカリを一瞥し、それから二人を見る。

「何してる」

「看病」

「見れば分かる」

即答。

「何時間いる気だ」

「ずっと」

「帰れ」

「は?」

爆豪が不満そうに眉を寄せる。

轟も静かに反論した。

「先輩一人だと心配です」

「保健室だぞ」

「でも」

「養護教諭いるだろ」

正論だった。

二人とも黙る。

だが視線だけはユカリへ向いている。

相澤は深いため息をついた。

「……お前ら、自分がどんな顔してるか分かってるか」

「?」

「重い彼氏候補」

「「……」」

否定できなかった。

/ 252ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp