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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第24章 演劇祭 after story




夜の3年生寮。

街灯の明かりだけが静かに地面を照らしている。

轟と別れたユカリは、手を振ってから自分の寮へ向かった。

だが。

寮の入口付近に人影がある。

壁にもたれながら腕を組んでいるのは。

見慣れた金髪。

「……爆豪くん?」

ユカリが思わず足を止めると、爆豪は顔を上げた。

そして。

「おせぇ」

開口一番それだった。

ユカリは目を瞬く。

「え?」

「門限来ちまうだろうが」

不機嫌そうに舌打ちする。

だが、帰る様子もない。

つまりユカリを待っていたのだ。

「どうしたの?」

問いかけると、爆豪は腕を組んだまま少し黙った。


「……今日の演劇」


そして。


「よかった」


逃げも隠れもしなかった爆豪の素直な感想。

それを聞いてユカリは嬉しくなる。

「……うん。ありがとう」

みんなで頑張ってきた数日間。

その努力が、こんなにもたくさんの人の心を動かした事実にユカリの心はまた熱くなる。

「んで、最後のやつだけどよ」

ユカリの肩が僅かに揺れる。

「どうせ台本にねぇんだろ」

断定だった。

「ま、まあ……」

ユカリは目を逸らした。

実際そうなのだから否定はできない。

祭壇のシーン。

あれは完全に予定外だった。

すると爆豪は鼻を鳴らした。

「だろうな」

そして。

少しだけ間を置く。

夜風が吹く。

遠くで虫の声が聞こえる。

爆豪はユカリを見る。

真っ直ぐ。

逃がさないような目。

「で」

低い声。


「どう思った」


ユカリは一瞬答えられなかった。

何を?という問いは出なかった。

わかっていたから。

轟のこと。

演劇のこと。

あの口づけのこと。

全部含めて爆豪は聞いている。


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