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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第23章 演劇祭




そして後半。

物語は悲劇へ加速する。

ロミオの追放。

ジュリエットの絶望。

無理やり決められる結婚。

偽りの死。

すれ違う運命。

観客席は静まり返っていた。

誰も喋らない。

誰も動かない。

みんな結末を知っている。

それでも見てしまう。

そして。

最後。

墓所。

ジュリエットが死んだと思い込んだロミオが毒を飲む。

「こうして口づけと共に私は死ぬ」

轟の声は静かだった。

苦しさよりも愛しさが残る声。

その後。

目覚めるジュリエット。

目の前にはロミオ。

もう愛した人は動かない。

ユカリの震える声。

「私を一人にしないで」

観客席のあちこちから鼻をすする音が聞こえ始める。

そして。

ジュリエットも後を追う。

静寂。

完全な静寂。

二人が動かなくなる。

舞台が暗転する。

シェイクスピアが残した恋愛悲劇。

何百年も愛され続ける物語。

そして。

最後の照明。

亡くなった二人の姿だけが照らされる。

観客席。

誰も拍手しない。

まだ終わっていない。

みんな息を止めていた。

その中で。

ミッドナイトだけが舞台袖から静かに見つめていた。

――そして残るのは。

祭壇のシーン。

轟が本番まで残していた。

あの場面だけだった。


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