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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第23章 演劇祭




幕が上がる。

会場は静まり返っていた。

最初に現れたのは、敵対する二つの家。

モンタギュー家とキャピュレット家。

その争いを描く冒頭から、観客はすぐに物語へ引き込まれていく。

「おお……」

「結構本格的じゃん……」

「すごいな」

観客席から小さな感嘆の声。

舞台上では使用人同士の小競り合いが始まり、やがて若者たちの乱闘へ発展する。

そこで登場したのが――

ティボルト。

環だった。

「モンタギューの犬どもが……!」

低く鋭い声。

いつもの環からは想像できない迫力。

客席。

ファットガムが泣きそうになる。

「環ぃぃぃぃ!!!!!」

隣の教師に即座に黙らされた。

「静かにしてください」

「すんません」

袖で見ていたミッドナイトは満足そうだった。

環は緊張で死にそうになりながらも、舞台に立つと完全にティボルトになっていた。

そして。

場面は舞踏会へ。

観客席の空気が変わる。

誰もが待っていた。 

ジュリエットの登場。

ゆっくりと現れるユカリ。

会場がどよめく。

「綺麗……」

「うわ」

「ジュリエットだ…!」

誰かが思わず呟いた。

純白の衣装。

柔らかな微笑み。

舞台の照明を受けて、ユカリは本当に物語の中のお姫様のようだった。

そして、ロミオ。

轟が現れる。

会場がさらにざわつく。

「顔が強い」

「強すぎる」

「原作超えてない?」

1年A組。

芦戸が小声で騒ぐ。

「やばいって!絵面が強すぎる!」

お茶子も頷く。

「すごい……」

その時。

ロミオとジュリエットが出会う。

シェイクスピアの有名な場面。

ロミオがジュリエットの手を取る。

そして言う。

「私の粗末な手がこの聖なる神殿に触れてしまったのなら、その罪は口づけで償わせてほしい」

会場が静かになる。

ジュリエットが答える。

「巡礼者様、その手は十分に敬虔ですわ」

ユカリの声は優しい。

柔らかい。

ロミオは微笑む。

「ならば聖人の唇も巡礼者のために祈ってくれるでしょう」

観客席。

「うわぁ……」

「ロミジュリだ……」

完全に物語へ飲まれていた。


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