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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第23章 演劇祭




轟は続ける。

「だから演技だからって気持ちを混ぜたわけじゃないです」

「え?」

「逆です」

轟は前を向いたまま言う。

「元々ある気持ちを使いました」

あまりにも自然に。

当たり前のことみたいに。

ユカリは思わず苦笑する。

「轟くんって時々すごいこと普通に言うよね」

「そうですか?」

「そうだよ」

ユカリが即答する。

轟は少し考えた。

それから珍しく、ほんの少しだけ笑う。

「でもユカリ先輩が分かったって言ってくれてよかったです」

「おかげでロミオが少し見えた気がします」

その言葉に、ユカリも笑った。

「私も。ジュリエット、頑張らないとね」

二人が笑う。

その空気は穏やかだった。

けれど前方では。

ねじれが何気なく後ろを振り返り。

「ねえ通形」

「うん?」

「なんかユカリと轟くん、いい雰囲気じゃない!?」

ミリオもそれを見て笑う。

「本当だ!」

環はただ、遠い目で空を見上げていた。

「…………」

――ロミジュリ、本番まで持つんだろうか。

演劇そのものではない。

周囲の人間関係が。

そちらの方が環はよほど心配だったのだった。


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