第7章 彼氏予想大会 / 熱
環が静かに追撃する。
「あと轟、最近かなり感情出るようになった」
「へぇ〜」
「ユカリの前だけ」
致命傷。
ユカリの顔がさらに熱くなる。
だって轟は真っ直ぐだ。
“好きです”
“俺だけ見てほしい”
そんな言葉を、真顔で言ってくる。
しかも時々、敬語が外れる。
――『作らないでほしい』
――『俺であってほしい』
あの低い声を思い出した瞬間、鼓動がおかしくなる。
「はい、轟くん思い出しましたー」
「もうやだぁ!!」
ユカリが顔を覆う。
ミリオたちは大爆笑だった。
「いやぁ青春だねぇ〜!」
「楽しそうだね〜ユカリ!」
「全然楽しくない……!」
でも否定しきれない。
二人のことを考えると、胸が苦しくなるくらいドキドキする。
ミリオがふっと笑う。
「ユカリってさ、昔から恋愛には慎重だったよね」
「……うん」
「でも今、ちゃんと悩んでる顔してる」
その言葉に、ユカリは静かに俯いた。
悩んでいる。
本当に。
爆豪の真っ直ぐさに胸が熱くなる。
轟の優しい独占欲に心臓が跳ねる。
どちらかなんて、まだ決められない。
でも――
「ユカリ」
ねじれがニコニコしながら聞く。
「今、一番会いたいのどっち?」
「っ」
その瞬間。
ガラッ。
教室のドアが開く。
「先輩いるか」
「ユカリ先輩」
聞き慣れた声。
教室の入り口には、爆豪と轟。
しかも二人揃っていた。
もう飽きるほど見慣れた光景。
なのに。
ユカリの心臓が、どくんと大きく鳴る。
その反応を見た瞬間。
ミリオ、ねじれ、環。
三人同時に察した。
(((あ〜〜〜これはもう時間の問題だ)))