第7章 彼氏予想大会 / 熱
放課後の三年教室。
進路資料やインターンの書類が散らばる中、教室の隅ではなぜか妙な盛り上がりを見せていた。
「というわけで!!」
勢いよく机を叩いたのは、 波動ねじれ 。
「ユカリの彼氏予想大会しまーす!!」
「何その最悪な企画」
ユカリは即ツッコんだ。
だが向かいでは、ミリオが爆笑している。
「面白そうじゃん!」
「面白くないよ!?」
一方、 環は机に突っ伏しながら小声で呟いた。
「……巻き込まれた」
完全に被害者。
しかしねじれは止まらない。
「ではまず本命から!!」
ビシッ。
ユカリを指差す。
「爆豪勝己くん!!」
「ぶっ!!」
ユカリ、むせる。
「反応分かりやすっ!!」
「違うから!!」
顔が赤い。
ミリオがニヤニヤしながら頬杖をついた。
「でも爆豪くん、ユカリにめちゃくちゃ一途だよね〜!」
「……それはまぁ」
「この前なんか、ユカリが男子と話してるだけで顔怖かったし」
「うっ」
覚えがある。
しかもかなり。
環もぼそっと口を開く。
「爆豪、ああいうタイプなのに……ユカリにはかなり我慢してる」
「え、そうなの?」
「普通ならもっと怒鳴ってる」
「あ〜確かに!」
ねじれがうんうん頷く。
「ユカリにはちゃんと優しいよねぇ」
「……優しい」
ユカリが小さく呟く。
荷物を持ってくれたり。
疲れてる時は甘いものをくれたり。
危ない時は反射みたいに庇ってくれる。
不器用だけど、ちゃんと優しい。
思い出した瞬間、胸がむず痒くなる。
「はい顔赤い!!」
「ねじれうるさい!!」
するとミリオが楽しそうに次を挙げた。
「でも轟くんも強いよなぁ」
「っ」
今度は別方向で心臓が跳ねる。
轟焦凍 。
最近、距離感がおかしい後輩。
「轟くんってさ」
ミリオが笑う。
「ユカリに対してだけ分かりやすすぎない?」
「分かる〜!」
ねじれが机に突っ伏した。
「ずっと見てるもんね!」
「えっ」
「この前なんかユカリが笑っただけで顔柔らかくなってた!」
「〜〜〜〜っ!!」
ユカリ、机に伏せる。