第23章 演劇祭
そして――
ついにやって来た演劇稽古初日。
顔合わせの日である。
雄英高校・特別講義室には主要キャストたちが集められていた。
教室の前方には大きなホワイトボード。
『ロミオとジュリエット』と書かれている。
そして教壇の前に立つ人物。
今年の演劇監督―――ミッドナイト。
「みんな」
妖艶な笑みを浮かべる。
「ようこそ」
嫌な予感しかしない。
「今年のロミオとジュリエットへ♡」
満面の笑みすぎる。
気合いが違う。
明らかに違う。
後方で見学に来ていた教師たちも察していた。
「やる気だな……」
と呟くのは相澤。
隣ではプレゼント・マイクが肩を震わせている。
「くくっ、むしろやる気しかねぇぞ…!」
一方のキャスト席。
轟。ユカリ。出久。環。
その他主要キャスト。
全員が妙に緊張している。
ただ一人を除いて。
ミッドナイトだけは異常に楽しそうだった。
「まず最初に言っておくわ!」
バンッ!
机を叩く。
「これはただの演劇じゃありません!!」
監督の大声が響く。
「愛よ!!!」
沈黙する教室。
轟、瞬き。
出久、固まる。
環、死にそう。
ユカリ、苦笑い。
ミッドナイトはそのまま続ける。
「悲劇だからこそ!」
「短い時間だからこそ!」
「観客に愛を信じさせなければならないの!」
熱い。無駄に熱い。
「ロミオ!」
ビシッ
轟を指差す。
「はい」
「あなたはジュリエットを見た瞬間に恋に落ちるのよ!」
「わかりました」
素直。
「理解が早い!」
ミッドナイト感動。
続いて。
「ジュリエット!」
「はい」
ユカリが返事をする。
「あなたも同じ!出会って数時間で人生を懸ける恋をするの!」
「は、はい?」
若干困惑している。
「大丈夫!あなたならできるわ!」
何の根拠だろう。