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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第22章 お見舞い



***

1年A組。

朝のホームルーム前。

教室はいつものように騒がしい。

「昨日の訓練さー!」

「宿題やった?」

「上鳴うるさい」

そんな中。

出久は教室に入るなり、一つの使命を思い出していた。 

――伝言。

ユカリ先輩からの。

出久はちらりと教室の後方を見る。

いつものように机に肘をつきながら座っている爆豪。

機嫌は……普通。

たぶん。

今ならいける。

出久は慎重に近付いた。

慎重に。本当に慎重に。

だって。

これは絶対に聞かれちゃいけない。

ユカリ先輩関連の話は、なぜか毎回事件になる。

前例が多すぎる。

だから今回はこっそり、静かに。

誰にも聞かれないように。

そう決意して。

爆豪の机の横まで来た。

「かっちゃん」

爆豪が顔も上げずに言う。

「何だ」

「ちょっと」

「?」

「耳貸して」

「……は?」

嫌そう。

めちゃくちゃ嫌そう。

でも。

出久の様子が妙に真面目だったので、一応聞く気にはなったらしい。

「……何だよ」

少し身を寄せる。

出久も小声になる。

完璧。

これなら誰にも聞こえない。

「ユカリ先輩が――」

その瞬間。

ぴくっ。

近くの席の麗日お茶子が反応。

ぴくっ。

芦戸三奈も反応。

ぴくっ。

上鳴電気も反応。

ユカリ。

その単語だけで反応するA組。

出久はそれに気付かず、小声で続ける。

「昨日のうどんの味」

爆豪の眉が動く。

「……あ?」

「すっごく好きだって」

沈黙。

数秒。

爆豪、停止。

出久、任務完了だ。

「以上です!」

小声。

完璧。

これで終わりのはずだった。

「うどん?」

後ろから声。 

出久の体が固まる。

振り返ると。

そこには、耳をダンボにしていた上鳴。

「え、好き?」

芦戸も。

「ユカリ先輩が!?」

麗日まで。

爆豪はゆっくり拳を握る。

こめかみに青筋。

「テメェら……」

しかしもう遅い。

芦戸が勢いよく立ち上がる。

「ちょっと待って!?昨日何があったの!?」

上鳴も乗ってくる。

「うどんイベント発生してんじゃねぇか!!」

麗日まで興奮してる。

「それ爆豪くん手作りなん!?」

爆豪は盛大に舌打ちした。

「クソがァァ!!!」

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